- 本日の日経株価
- 日本製鉄の会社概要
- 注目する理由
- 考察_本日の決算を踏まえ
本日の日経株価
2022/08/04の日経株価は、27,932円(+190.3円+0.69%)の上昇。
為替は134円(+0.325円、+0.24%)。
先日のS&P500は、+63.98ドル(+1.56%)。
個人的にはもう少し上昇しても良いかと思っていたが、想定範囲内の値動き。
日本製鉄の会社概要
本日の注目株は四半期決算を終えた注目株、日本製鉄(5401)である。
日本製鉄は、言わずと知れた日本ナンバー1の鉄鋼メーカーである。
昔は鉄は国家なりと言われ、超注力産業として、長年の日本経済を支えてきた。
だが21世紀に入り中国が台頭し、世界の鉄鋼業界を大きく変えた。日本製鉄も合併や資本提携を繰り返し、苦しいグローバル競争を強いられる結果となった。
株価も現在は低迷している状態と言えるだろう。ちなみに、粗鋼生産は国のGDP成長率と大きな相関関係があると言われている。
考えてみると、建物、自動車などあらゆるところで鉄は使用されていて、モノの経済指標であるGDPが伸びる国で粗鋼生産量が伸びるというのは合点が行く。
注目する理由
日本はGDP成長率が低く、その日本の鉄鋼メーカーをなぜ注目するのか。
理由は以下の通りである。
- 戦略が優秀
- 合理化の決断力
- 環境へ配慮したプラント作り
- リスクヘッジ能力
特に注目したいのは、「合理化に関する決断力」と「環境に配慮したプラント作り」である。
ここ数年で、呉・鹿島などの国内製鉄所の合理化を進めた。この合理化、言葉で表すのは簡単だが想像を絶するほどの覚悟と労力が必要だ。自社の合理化だけで済めば良いが、関係会社や周辺企業、街にまで影響を及ぼす大きな決断なのだ。
内情はくわしく分からないが、日本企業でここまでの結論を矢継ぎ早に行い、実行している企業があるであろうか。また、値上げに関しても積極姿勢である。これもある意味日本離れしている。
多くの日本企業は、判断を後ろ伸ばしにし、顧客に話しにくい値上げの話などは避ける傾向がある。価格の話は実は重要で、価格交渉を嫌う日本において、(一部の優秀な企業を除き)調達部署のスキルが欠落しており、適切な判断ができない状態に陥っているのだ。(私も商社時代に価格交渉は行なっていたが、物価の変動率や為替の話をしても、頓珍漢な回答をする調達人員は多かった。考える力が不足しているのだ。)こんな中、会社としてやりきったのはあっぱれである。
また、「環境に配慮したプラント作り」に関しては、高炉メーカーであるにも関わらず、電路や水素を利用した鉄づくりに関する企業努力を行なっている。環境に配慮したCO2排出量が少ない製造は必ず将来身を結ぶ。海外の評価指標がそれなのだから。
こういった企業努力を続ける当企業。本日好決算が出た模様である。
考察_本日の決算を踏まえ
今期の純利益予想は6,000億円とのことで、市場予想を超える結果となった。
円安、インフレなど逆境がある中、見事である。
ただ、リスクはある。円安の継続、資源入手、インフレの継続なのだ。個人的にはこれらを考慮しても買いだと思っている。トヨタもそうだが、日本のCO2を抑えたモノの生産は、再び世界的技術になる可能性がある。私はそこに掛けたいと考える。