経験談

【体験談】転職・キャリア_商社の仕事で身につくスキルとは一体何なのか??

対象:商社を目指す人、商社って何者?と思っている人

  • 商社の代表的な仕事は何?
  • 身につくスキルは?
  • 結局まとめると?

商社の代表的な仕事は何?

商社の代表的な仕事は大きく3つである。

  • トレーディング
  • 投資
  • 出向

現在筆者が感じている商社の本質とは、不足している「モノ」の需給を調整し、世の中を幸せにすることであると思う。例えば、アフリカは圧倒的にインフラが不足している。なので、超大型のプロジェクトになれば、国のお偉いさんや多くの企業と協力し、日本海外含め足りないモノをアレンジしていくのだ。

それでは、代表的な業務3つの説明。

「トレーディング」

主に既存顧客や市場のの需要を予測し、仕入先に発注し在庫や為替リスクを負うことである。一見誰でも出来そうな仕事に見えるが実は色んなリスクを取っている。例えば、サイトリスク。これは顧客への支払いサイクルと仕入れ先への支払いサイクルの差を埋めるというリスクである。資本力が大きい商社でしか出来ない仕事(というより、多くの会社がやりたがらない仕事)と言っても良いだろう。為替リスクや在庫リスクも代表的なリスクと言える。

このトレーディングという仕事は実に地味だが非常に難しい。理由は、需要なんて読めないからである。仕事ができる人間は、需要や価格の変化を細かく把握し、あらゆる情報を取引先からもらい、欠品リスクや為替リスクをヘッジしている。昨今、コロナで経験した通り、予測のつかない需給の急変動が生じている。この変化の波を適切に乗り切っていくには実は非常に多くのスキルが必要になる。

「投資」

これは、一般的に言われる株式投資やFXのような投資とは少し異なる。商社が行う投資はまとまった金額を長期間投入し投資した企業に影響力を持ちながら、場合によっては経営に参画する。出資することが戦略ではないので、各部署がその戦略に応じて投資を行う。投資のきっかけは色々であるが、①企業から頼まれるパターン、②自ら出資の話を持ちかけるパターン、③ファンド・コンサルなど第三者から持ちかけられるパターンなどだ。

「出向」

これは、「投資」した企業に出向し戦略実行や拡大を行う業務だ。筆者はこのパターンで海外企業に出向していたが、まあ本体からアレコレうるさく言われる。そして、途上国では、人件費の関係上、下手したら日本人一人その他全員外国人という場合もあるので、基本的には非常に疲れる(が、たまに日本ではあり得ない爆笑するような出来事も起こる)。

身につくスキルは?

正直在籍している時には気がつかなかったが、結構多くのスキルや生きる知恵が身につく。代表的には以下の通りだ。

  • 語学
  • 財務諸表を作成・読む力
  • 仮説をベースに戦略を作っていく力(人にもよるが)
  • どこでもやっていけるという謎の自信と調整力

特に筆者の場合は、インドの非常にパンチの効いた企業で働かせて頂いたおかげで、基本的にビジネス上何が起きても大体何とかなるという根拠のない自信を持つことが出来た。財務諸表や英語云々より、実は、これが最も大事である。はっきり言って、MBA的な知識は本当の経営にはあまり必要ない(あれば良というのは間違いない)。

必要ならば金でその人材を雇えば良い!!

それより、経営をしていると想定以外のことが身に降りかかる。それを柔軟に対処する能力や、営業力の方がよっぽど重要である。筆者の場合は、ストライキという形で色々と経験させて頂くことになる。あの時ほど、人を信じられなくなったことはない。昨日まで楽しく話していた仲間(?)の態度が正反対になり牙をむく。ストライキは結構参った。。

また、もう一点学んだこと。現地の企業には非常に優秀な従業員が何人か存在した。ただ、わかったことは従業員はどこまで優秀でも所詮は従業員であるということだ。優秀であるので重宝はするが、優秀な従業員ほど怖くない。怖さがある従業員とは、「もしかすると、独立して競合になるかもしれない」と思わせる何か飼い慣らせない感が漂う。そういう従業員は失敗するかもしれないが、一発当てるかもという変な期待感をもってしまう。

優秀な従業員は、どんなに優秀でも経営者やオーナーの給与を超えることはないのだ。

こういったことを、若くして見ることが出来るから、商社から起業する人が多いのかもしれない。

結局まとめると?

高額の給与をもらいながら、良い国に駐在できれば花の駐在生活が可能だ。ただ、所詮は大企業の一社員。意識しなければ大したスキルや自信はつかない。

個人的には、選ぶなら過酷な地域を選ぶべき。そして、なるべくなら自ら志願し、早くから経営職を経験してみることだ。

商社に勤務し真面目に働けば、そのチャンスが巡ってくる可能性は高い。

若年層にしては十分すぎる金、自信を手にし、世間の仕組みを学ぶことができる。南米・インド・アフリカどこでも良い。世界を見てくるべきである。そして、投資をしよう、起業をしよう。

成功や本当の自信を持つためには、失敗しまくる必要がある。失敗できるかどうかは環境が重要なのだ。

ABOUT ME
kotaro@1988
昭和63年生まれの体育会系♂/ 新卒で総合商社に入社/新興国での駐在期間は、買収したローカル工場のマネジメントを経験/その後、外資系IT企業に転職し営業職として勤務/現在は株式投資と中小企業向けのIT活用を支援/ ゴルフ・株式投資