顧客のクレームをどのように扱っているでしょうか。恐らく原因分析をして対策書を出すことは行なっていると思いますが、嫌な作業ですよね。もちろん致命的な欠陥や故意による行動の結果からクレームを受けた場合は良くありませんが、大きく成長した企業の中には、顧客クレームを大切に扱い業績を伸ばした企業があります。
寄せられるクレームって実は宝なんです!!
- グッドマンの法則とは
- トラブルを経験したお客様のその後の行動は?
- どういった取り組みが必要か
- まとめ
グッドマンの法則とは
ジョン・A・グッドマンとは、1970年代の後半にかけてホワイトハウスから依頼を受け、コカコーラなど米国大企業の苦情処理の実態調査を実施した、コンサルティング会社TRAP社の創始者です。詳しくはコチラ!
グッドマンの法則とは、簡単に言うと、
「顧客対応品質を上げることが収益改善に影響する」ことを調査結果を元にまとめた法則です。従来のクレームや苦情は嫌で面倒なものという価値観を変え「クレーム苦情は宝物」という考えを世に広めた法則なのです。
それを実践した企業は、そう。
ユニクロです!!
過去に「悪口を言って100万円」キャンペーンを行い、約1万通の「クレーム」を積極的に受け付けて対応することで顧客満足度を大きく向上させました。
エアリズムのベージュ色ってありますよね!?
あれは、「白の肌着は透けてしまう」というクレームが元となり、ベージュを開発し大ヒットしたのです。
トラブルを経験したお客様のその後の行動は?
こういった積極的なクレーム取集もあるのですが、そもそも顧客が不満やトラブルを経験した時、いったいどのような行動をとっているのでしょうか??
ここからは数字で説明していきます。
顧客全体を100とた場合、何らかのトラブルを経験した顧客の割合は約2割程だそうです。
結構、多いですよね!?
ただ、その内苦情を申し立てる顧客って何割いるでしょうか?
実は、25%、つまり、顧客全体を100とした場合、5程度しかいないのです。その他の意見は聞けません。言わば彼らは代表者なのです。
さて、製品購入を一回で終わらせてしまう場合ももちろんありますが、ユニクロやコカコーラなどの日用品や飲食料はリピートしますよね??では、顧客満足度とリピートの割合ってどうなっているのでしょうか。
トラブルを経験して「いない」顧客を元にアンケートを行った結果、再購入の意向ありに○をした人は、82%でした。
一方、トラブルを経験し「トラブル時の対応に満足した」顧客の再購入意向はなんと90%とトラブルを経験していない顧客層より高いんですね。
ただ、対応に満足していない顧客の意向は70%と大きく下落してしまいます。
どういった取り組みが必要か
では、顧客の声を拾い上げるために何が必要でしょうか。
①問い合わせ率を向上させること
②顧客対応時の満足度を上げること
③トラブル発生頻度を低減させること
この3つになります。ただ、どうやってやるの?ということです。
昨今はWebツールの発達により、比較的にこういった環境を整えやすくなっています。
①であれば、電話、Line、メール、HPの問い合わせフォームやチャットを使用し、社内でそれらをCRMツールを用いて一元管理するのが良いでしょう。
②は、①のCRMで蓄積された情報や対処方法を横展開し、誰もが参照できる環境を構築することです。当然ですが、顧客台帳を元に購入情報や過去の問い合わせを把握した上で顧客と接することも重要です。顧客情報を元に、対応を均一化させて対応力を上げましょう。
③は、寄せられた問い合わせやクレームを集計・分析し商品の改善や開発を行っていくことが重要です。昨今のCRMツールは非常に優秀なものが多いので、こういった分析は記録さえ取っておけば簡単に行うことができるのです。
ビジネスにおいて、楽してヒット商品を生み出すことは不可能に近いです。顧客の声を見える化・収集・分析し商品の改善を行っていくというのは、確実にヒット商品を生み出す一歩になると思います。
まとめ
グッドマンの法則から派生して、顧客の声を収集・分析して商品の改善を行っていくことの重要性を記載してきました。これらを行うにはやはりCRMを使用するのが良いと思います。
実は把握していなかったこと、本当に多い問合せを定量的に見てみることを大切だと思いつつ意外に仕組み化できていない企業が多いです。
自社の良い製品に顧客の声を入れて改良し、更に良い商品を生み出しましょう!